2012年7月28日
申 入 書
去る7月23日、東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会(政府事故調)は最終報告書をまとめました。東京電力は安全を最優先に考える姿勢に欠け、過酷事故は起きない前提で対策を取らず、根拠なき安全神話に固執していたという。福島第一原発事故についての事故調査報告は2月の民間事故調査、6月の東電社内事故調査、7月5日の国会事故調査、そして今回の政府事故調査で4つが出揃いました。
しかし、自衛隊イラク派兵については民間の調査報告も、自衛隊による調査報告も、国会による調査報告も、政府による調査検証報告もありません。空自小牧基地のみなさんはイラク派兵の調査・検証をしてください。
航空自衛隊小牧基地司令 荒木淳一様
航空自衛隊小牧基地隊員・家族の皆様
4つの事故調査は福島第一原発事故がいかにして発生したのか、原子炉の損傷と放射性物質の放出、東電の対応、住民の避難、そして問題点と今後の課題がそれぞれ報告されています。
2003年12月から2008年12月までの自衛隊イラク派兵について、国会も政府もこの福島原発のように事故調査・検証をしていません。立法府も行政府も調査・検証していませんが、司法府は調査し、判断をしてきました。自衛隊イラク派兵についての日本の11の地方裁判所で12の自衛隊イラク派兵の訴訟が提起され、法廷の場で検証作業が行なわれてきました。この名古屋地裁の裁判は原告数で最大のものとなり、名古屋高裁で2007年4月17日に、「現在イラクに於いて行われている航空自衛隊の空輸活動は、政府と同じ憲法解釈に立ち、イラク特措法を合憲とした場合であっても、武力行使を禁止したイラク特措法2条2項、活動地域を非戦闘地域に限定した、同条3項に違反し、かつ、憲法9条1項に違反する活動を含んでいることが認められる。」さらに、「また、憲法9条に違反する戦争の遂行、武力の行使等や戦争の準備行為等によって、個人の生命、自由が侵害され又は侵害の危機にさらされ、あるいは、現実的な戦争等による被害や恐怖にさらされるような場合には、平和的生存権の主として自由権的な態様の表れとして、裁判所に対し当該違憲行為の差止請求や損害賠償請求等の方法により救済を求めることができる場合があると解することができ、その限りでは平和的生存権に具体的権利性がある。」との判決がありました。
この裁判は、国を被告としたもので、派兵された自衛隊員を被告とするものでも、敵視するものでもありません。判決で、裁判所は憲法9条に違反する戦争の遂行、武力行使等や戦争の準備行為等によって、個人の生命、自由が侵害され、又は侵害の危機にさらされるときには、裁判所に対して違憲行為の差止請求裁判、損害請求裁判ができることを(判例として)示しました、画期的なことです。
政府と国会は、アメリカ・イギリスがイラクに一方的に攻撃し、陸自そして空自隊員がイラク特措法に基づいて派兵された自衛隊イラク派兵について、調査・検証をしていません。今後も自衛隊員が事あるごとに派兵されるということかもしれません。福島第一原発事故はレベル7の過去最悪の事故で、この事故が二度と発生しないようにと調査検証されました。自衛隊イラク派兵が調査・検証とりわけ、二度と海外派兵されないように調査・検証していないということは、自衛隊員のイラク派兵のようなイラク特措法にも、憲法9条1項にも違反するような海外派兵が将来、政府の命令によって行なわれるかもしれないということです。
イラク派兵では、自衛隊員が危険に晒され、自衛隊の活動がアメリカ軍と一体となっており、イラクの国民を敵のごとくみなした海外派兵は日本国民にとって有害無益であり、イラクとの友好に歴史的汚点を残しました。アメリカ政府の派遣要請のもとになされた自衛隊イラク派兵の活動を政府(当時は自民党・公明党政府)が国益にかなったという評価をすればするほど、アメリカ軍によって攻撃され、占領されたイラク国民にとってはアメリカ軍とともに自衛隊による癒しがたい戦争被害体験となって記憶に刻まれたことでしょう。
原発を廃炉にするために今回の福島第一原発事故を調査・検証することと、原発を再稼働させるために福島原発事故を調査・検証するのでは結論が大きく違ってきます。
空自小牧基地の皆さんは再び海外派兵されることがないよう、自衛隊イラク派兵を検証してください。
<ノーモア南京>名古屋の会 事務局
社民党愛知県連合 平山良平
西尾市高畠町4-75-3
歴史を見れば明らかなように、1609年薩摩藩が琉球王国を武力制圧して以降、江戸時代を通じて琉球王国をして薩摩と明国のへの二重外交を強要し、明治維新以降の1872年琉球王国を琉球藩にし、7年後にその琉球藩を沖縄県にしてしまいました。つまり尖閣諸島は歴史的に見るならば、江戸時代までは明国(後に清国)、あるいは琉球王国に帰属することはあっても、江戸幕府(日本)に帰属するものではなく、到底「日本固有の領土」といえるものではありません。アイヌ民族の存在を当然のこととして認めるならば、北海道を日本固有の領土ということもいうこともこれまた言うことはできません。
このような尖閣諸島の国有化を事大化して
野田首相は大飯原発について、“国民の生活を守るために大飯原発を再稼働すべきだというのが私の判断だ”と再稼働を決定しました。
福島原発事故によって現在なお国民生活全体が放射能汚染の危機に晒されているにもかかわらず、野田首相は“国民の生活を守るために大飯原発の再稼働する”という。最大の矛盾です。国会の福島原発事故調査委員会の報告も出ない前の再稼働です。野田首相は今後のために検証するということができないようです。この政府では同じ過ちを繰り返すでしょう。
イラク派兵については、国会に検証委員会など設置されていません。再び特措法違反、憲法9条1項違反となる海外派兵が行なわれることのないよう、空自小牧基地のみなさんこそ、イラク派兵を検証してください。
航空自衛隊小牧基地司令 荒木淳一様
航空自衛隊小牧基地隊員・家族の皆様
福島第一原発の事故は到底収束したとは言えず、1号機から3号機のメルトダウンした核燃料が圧力容器、格納容器のどこでどうなっているかもわからず、4号機の使用済み核燃料棒1500余本は階上にあって水で冷やされているとはいえ、強い余震があれば崩落のおそれがあり、もし崩落したら、1号機から3号機が今まだ放出した量の放射能をはるかに上回る放射能が撒き散らされるという。識者はこの4号機の使用済核燃料棒の移し変えこそが日本存亡にかかわる一大事であるという。北海道電力泊原発が定期検査に入った5月6日から今日までの1ヶ月半余、日本の50基の原発は1基も稼働していません。それであっても、現在、日本のどの地域も電力不足はありません。
電力不足があるとすれば、真夏の数日のそれも数時間だけであろうと言われるも、昨夜NHKテレビは電力不足と電力各社(東電と東北電力を除いた)の恒常的な数字(%)をあげた節電要請を報道していました。
福島第一原発の1号機から4号機の事故とその現状を世界は注目しています。大気と海水によって放射能汚染は地球規模に拡散しており、汚染は日本だけに留まるものではありません。野田首相の大飯原発再稼働決定の報道は瞬時に世界をかけめぐり、ドイツの新聞が「日本政府は地震と津波を法律で禁止したようだ」と報道したと聞く。地震国日本で、地殻変動期に入ったこの時期に、自然現象である地震や津波を制止できないにもかかわらず、原発の再稼働を決定したことに、地震と津波を法で禁止するという滑稽な表現をとりつつも、同じ地球に生きる人として再稼働の決定に満腔の怒りを持って報道しています。
“国民の生活のために”と言うが、野田首相にとっては“関電と原発産業そして原子力村の面々のために”ということでしょう。福島第一原発の放射能垂れ流しと4号機の危機を放置し、福島の人々とりわけ子どもの放射能汚染を放置しておいての大飯原発再稼働決定だからです。
東京電力の幹部は事故の責任を誰一人とっておらず、その東電が福島第一原発の事故調査の最終報告書をこの20日に公表しました。「事故原因」として最後に、「津波の想定は結果的に甘さがあったと言わざるを得ず、津波に対抗する備えが不十分だったことが今回の事故の根本的な原因だ。」(朝日新聞)とある。備えを十分にする責任は誰にあるのか。経営陣であろう。各紙の「責任回避に終始」の総評が当たっています。“全くしないよりいいという程度の事故調査・検証”です。
アメリカの最新報道では、月間の戦死者数よりも兵士の自殺者の方が多くなったという。アメリカ兵のアフガニスタンでの作戦・戦闘に正義はなく、兵士が命令でやっていることはアフガニスタンの人々への殺害行為でしかない現実に耐え切れなくなったからでしょう。アフガニスタンの人々も、アメリカ軍兵士も犠牲者となるアメリカ政府の戦争政策です。
2001年9月11日のニューヨーク世界貿易センタービルへの飛行機の激突と上がる黒煙、アメリカ国防総省への飛行機の激突跡はテレビで繰り返し放映されました。飛行機とその燃料がビルの中で燃えてビルの鉄骨が溶解する?、ビル崩壊の粉塵からビル解体用爆薬・テルミットの成分が検出される、国防総省に激突した飛行機の機体も乗員乗客の死体もないデタラメさ。何者かが飛行機をビルに激突させ、何者かが誰もいない工事中のペンタゴンの一角を爆破させた。この何者と「イラクには大量破壊兵器がある」「アルカイダとフセイン大統領とは関係がある」との理由をつけて1年半後の2003年3月20日にイラクを一方的に攻撃した当時のブッシュ大統領・アメリカ政府関係者とは全く無関係なのか。ブッシュ大統領がオバマ大統領に代わっても、世界貿易センタービル・国防総省激突の9.11事件の真相究明はされず、2011年12月のアメリカ軍のイラク完全撤退後から現在に至るも、イラク攻撃の検証はされていません。アメリカの戦争政策は改められていないということです。日本政府もイラク派兵を検証していません。
空自小牧基地の皆さんこそ、自衛隊イラク派兵を検証してください。
<ノーモア南京>名古屋の会 事務局
社民党愛知県連合 平山良平
西尾市高畠町4-75-3