2011年9月24日
申 入 書
2001年9月11日、ニューヨーク世界貿易センタービルの崩壊事件から10年、直後に原因究明をせず、「対テロ戦争」という名のアフガニスタン攻撃を始め、さらに、その後「イラクには大量破壊兵器がある」という情報を検証せず、それを理由にイラク攻撃を始めました。
アメリカ・イギリスのイラク攻撃に追随した小泉政権は自衛隊をイラクに派兵しました。アメリカ政府も日本政府もその検証をしていません。
検証しないことによってどれだけの人々のいのちとあるべき平穏な人生が奪われたのでしょうか。すべきは検証で、戦争や派兵ではありません。
航空自衛隊小牧基地司令 谷井修平様
航空自衛隊小牧基地隊員・家族の皆様
9月11日、“脱原発の集会とデモ”の帰途、車中のNHK第一ラジオニュース(午後6時10分ころ)は、「ワシントンのダレス国際空港で、探知犬が反応し、空港を一時閉鎖し不審物を調べた」というニュースに続けて、「10年前、このダレス空港を飛び立った飛行機がアメリカ国防総省に激突した」とアナウンサーは報じました。
10年前の、世界貿易センタービルへの飛行機激突シーンと国防総省への飛行機が激突した跡のシーンは繰り返しテレビで放映されました。国防総省へ飛行機の激突と報じられたが、国防総省の建物に穴はあいていたものの、翼が激突した跡はなく、その後も、現場から飛行機の機体も乗員乗客の死体も見つけ出されることはありませんでした。飛行機の激突ではないということです。これをニュースとして流すようではNHKも9.11事件についてはきちんと検証していないようです。
9.11世界貿易センタービルへの飛行機激突と衝撃的なその崩壊を世界中に見せつけた後、当時のブッシュ大統領は「これは戦争だ」と叫び、「対テロ戦争」としてアフガニスタン攻撃を始めました。粉塵と瓦礫に化した世界貿易センタービルは片付けられた。そのビルの鉄骨は外国に売り払らわれたと報道された。アメリカ政府がはじめたのは、現場検証と証拠の保存ではなく「対テロ戦争」というアフガニスタン攻撃でした。
きちんと検証作業が行なわれていたら、「飛行機燃料の燃焼による鉄骨の溶解が原因のビル崩壊」、ではなく、「地下室を始めいくつかのフロアに仕掛けられたビル解体用の爆薬“テルミット”によるビル崩壊」であることが解明されたであろう。その後、粉塵からテルミットは発見されているという。
その1年半後の2003年3月20日、ブッシュ大統領は「イラクには大量破壊兵器がある」、「フセイン大統領とアルカイダとは関係がある」との情報を元にイギリスのブレア首相と組んでイラク攻撃を始めた。世界中の市民の反対を無視してのイラク攻撃でフランスやドイツ、ロシヤも中国も参戦しませんでした。1年もたたず、「大量破壊兵器がある」との情報が作り上げられたものであったことをブッシュ大統領も認めざるを得ませんでした。経過から言えば、きちんと検証をすることなくアフガニスタン攻撃とイラク攻撃が行なわれた、ですが、真実は、軍需産業などの要請を受けて理由をつけてブッシュ大統領が戦争を始めたということです。
この二つの戦争によって、アフガニスタンの人々、イラク人々が殺され、多くの人々のあるべき平穏な人生が失われました。アフガニスタンとイラクの民衆の抵抗でアメリカ兵も死んだり、無意味な戦争に加担させられ心身ともに傷つき、帰還後も戦争後遺症に悩まされているという。アメリカ軍兵士は加害者であり被害者でもあります。
イギリス政府は特別委員会を設けイラク戦争を検証しており、ブレア元首相も証人として証言台に立たされました。
アメリカ政府も、日本政府もイラク戦争、自衛隊イラク派兵を検証していません。政府として検証をしないというのは、同様な戦争や派兵をするということです。
福島第一原発事故をわがこととして受けとめたドイツは、「日本でさえも原発事故が起きた、原発事故はどの国でも起こりうるものだ」と検証して、脱原発の方向にはっきり舵を切りました。事故を起こしたこの国の、野田首相・日本政府は原発の再開と海外への売り込みを進めています。
自衛隊のイラク派兵について、他国の武力行使と一体となった活動であり、派遣法を合憲としても、武力行使を禁止したイラク特措法2条2項、非戦闘地域に限定した同条3項に違反し、かつ、憲法9条1項に違反する活動であることが認められる、と名古屋高裁は検証(判決)しました。
検証することは、再び過ちをおかさないためにするもので、戦争や派兵について検証しないことは、アメリカについていえば、アメリカ軍兵士が軍需産業などの利益のために戦地に送り込まれ、自他共に戦場に身をおくことになり、日本についていえば、政府の「国益」のために自衛隊員が派兵されるということです。
航空自衛隊小牧基地の皆さんは、きちんと自衛隊イラク派兵を検証してください。
<ノーモア南京>名古屋の会 事務局
社民党愛知県連合 平山良平
西尾市高畠町4-75-3