2010年8月28日
空自小牧基地はイラクでの空輸活動の検証をしてください
航空自衛隊小牧基地司令 谷井修平様
航空自衛隊小牧基地隊員・家族の皆様
7月30日の新聞(赤旗)は、「ロイター通信によると、06年から09年まで英国陸軍司令官だったリチャード・ダナット大将は、28日の公聴会でイラクでの武力攻撃の急増への対応と同時に、アフガニスタンに増派したことで、英軍は限界状況に達したと証言。『06年には英軍はほとんどで身動きが取れない状況に近づきつつあったと思う』と語りました。また、ダナット氏は米英連合軍のイラク進攻の1年前には、英軍には参戦する意思はなかったが、米国は、英軍が軍事支援要請を断れば失望しただろうと述べました。27日の公聴会では、イラク戦争開戦前にイラクに対する国連の監視検証査察委員会委員長だったハンス・ブリクス氏が、『査察官はイラクには核施設はないと確信していたが、米国はこの知見を受け入れることを拒否した』と証言。また、ブリクス氏は、『国際原子力機構(IAEA)が扱う分野では、私が97年に、エルバラダイ氏(当時のIAEA事務局長)が98年にそれぞれ、イラクはかなり長期にわたって核開発計画を再開できないと言明していた』と証言しました。」と報道しています。
イラクを攻撃しなくてはならない客観的かつ正確な情報がなく、イラク攻撃する必要のない情報をブッシュ・アメリカ大統領は拒否さえしていることが浮かび上がっています。
ブッシュ・アメリカ大統領とブレア・イギリス首相は共同して「イラクには大量破壊兵器がある」、「フセイン大統領とアルカイダとは関係がある」との理由を公言して、これを理由に一方的にイラクを攻撃しました。
こんな理由で開始されたイラク攻撃を当時の小泉首相は世界に先んじて支持しました。そして1年後には陸自はサマーワに、空自はクウェートにC130H輸送機3機を派遣し、自衛隊員を派兵しました。
捏造された情報によって開始されたイラク攻撃、このイラク攻撃(戦争)にかかわってしまった小牧基地・航空自衛隊が再び、三度海外派兵され、戦闘地域での空輸任務、武力行使と一体となった空輸活動をすることのないよう航空自衛隊小牧基地としてイラク攻撃(戦争)における空輸任務を検証すべきです。
与えられた任務を粛々と遂行すること、これを由としても、与えられた任務そのものが少なくとも憲法9条や関連法規(イラク特措法)に抵触しないという大前提がなければなりません。人として、自衛官として、日本国民として胸を張って職務を全うしようではありませんか。
7月30日、毎日新聞は「空自訴訟 性暴力、退職強要認定 札幌地裁 国に530万円賠償命令」との見出しで「同僚の自衛官から性的暴力を受けたうえに退職を強要されたとして、北海道内の航空自衛隊基地に勤務していた元女性隊員(24)が約1100万円の国家賠償を求めた訴訟で、札幌地裁は29日、女性側の訴えをほぼ全面的に認め、国に580万円の支払いを命じた。橋詰均裁判長は『上下関係などを利用した性的暴行で、その後も上司らが露骨に退職に追い込もうとした』と、組織的な不法行為を認定した」と報じました。弁護団の佐藤博文弁護士の話として「全面的な勝訴。判決を今後の自衛隊の在り方に生かしてもらわなければいけない。」とコメントがあり、航空幕僚監部広報室に話として「裁判所の理解が得られなかった。関係機関と調整して適切に対応したい。」とありました。
8月13日の毎日新聞に「空自セクハラ 国側控訴せず賠償確定へ 元女性隊員『感無量』」との見出しがあり、記事の後段に女性の「自衛隊は隊員の人権を守る組織に変わらなくてはならない。セクハラ対策マニュアルを見直し、機能するようにしてほしい」とのコメントがありました。
上下関係が厳然としてあり、政府・防衛大臣の命令ならばその任務を粛々と遂行する、このチェック機能無き上意下達の自衛隊であるがゆえに、「空自訴訟 性暴力 退職強要認定」という事件が発生するのでしょう。
隊員一人ひとりがチェック機能をもつこと、自衛隊として検証機能を備えること、これがセクハラの防止につながり、人権を守る自衛隊となる核心です。
自衛隊イラク派兵を検証することは、海外派兵を抑止し、自衛隊員の命を守り、戦死を防ぐことにつながります。
09年1月以降、小牧基地への検証を求める申し入れは、これで20ヶ月になりました。検証しているのでしょうか。
<ノーモア南京>名古屋の会 事務局
社民党愛知県連合 平山良平
西尾市高畠町4-75-3