2010年5月22日

イラクでの空自の空輸活動の検証をしてください

航空自衛隊小牧基地司令 谷井修平様
航空自衛隊小牧基地隊員・家族の皆様

5月3日に「せせらぎ出版」から『イラクで自衛隊は何をしていたか』とのタイトルの本が出版された。
プロローグ どの町にも人間が住んでいる

  1. それは“真っ黒”に塗りつぶされた「開示?文書」からはじまった
  2. 輸送の実態は「人道」を大きく逸脱
  3. 憲法「9条1項」違反の実態
  4. 「安全確保支援活動」という名の戦争

エピローグ イラク戦争は「正しい決定」だった?
第3章の末尾に「けれども、そのような無理をしてでも週5便体制を維持しなければならなかった理由はいったい何だったのでしょう。常時200人規模の部隊を維持するために、5年間に5回も派遣された隊員があり、1年に2回の派遣にたえた隊員もあるといいます。「週間輸送実績」は憲法違反の実態を明らかにしてくれただけではありません。自衛隊が「米軍を中心とする多国籍軍」の一翼を担うということがどういうことなのか。付け焼刃のシビリアンコントロールによる海外派兵が、自衛隊をどのような危険水域へ追いこんでいくのかという現実を、如実に浮かびあがらせてくれています。」と書かれています。
先月、「中国艦載ヘリが海自護衛艦「すずなみ」に約90mまで接近し、帰途である21日にも中国艦載ヘリが海自護衛艦「あさゆき」に、90mの距離に2度接近した」との新聞報道がありました。
昨日は「韓国艦沈没 調査団報告」「北朝鮮の魚雷と断定」「小型潜水艇が発射」の見出しが夕刊のトップニュースとなり、韓国軍哨戒艦「天安」の沈没は「北朝鮮の小型潜水艦・艇による発射以外に説明がつかない」との最終報告書の結論、そして、朝鮮民主主義人民共和国の国防委員会報道官がその結論に対して「でっち上げ」と主張し、検閲団を派遣するとの声明を報じました。
韓国艦「天安」沈没事件と時を同じくしてアメリカの原子力潜水艦「コロンビア」が沈没したとのニュースはインターネット上では流れても、新聞には今日まで報じられていません。
軍事にかかわる自国に都合の悪いことはなかなか報道しません。「イラクには大量破壊兵器がある」との偽りの情報を基にしたイラク攻撃をアメリカ政府はオバマ政権になった今もなお、検証もイラクへの謝罪もしていません。
軍事力の拡大や軍事力の緊張を高める悪循環の中から発生した事件やニュースばかりです。軍事力拡大の道を突き進めば、緊張や際限なき軍事的衝突の招来、戦争の連鎖を招くだけです。
軍拡で利益を得るものは軍需産業、兵器産業です。
軍拡政策ではなく、軍縮政策の中でしか人間社会の未来はありません。軍事力を縮小して、平和外交を拡大していかなかったら、犠牲者がでるばかりです。日本では誰がこれらの犠牲者となるのでしょうか。
イラクでの自衛隊の活動の検証をすること、アメリカ政府のイラク政策そのものを問うこと、日米の安保体制を問うことです。これを問わずして沖縄・日本の基地問題は解決されません。
私たちが平和のうちに生存するためにはいかなることをしなければならないか。航空自衛隊小牧基地は、イラクでの航空自衛隊の輸送活動の検証です。憲法違反をするまでに至ったのかです。
再び三度海外派兵されることのないように。

<ノーモア南京>名古屋の会 事務局 
              社民党愛知県連合副代表   平山良平  
              住所 西尾市高畠町4-75-3