2010年2月27日
イラク派兵検証要請書
沖縄県民は米軍普天間飛行場はいらない、辺野古に新基地も作らせないと決断しました。航空自衛隊小牧基地の皆さんはイラク派兵について当事者として検証してください。
航空自衛隊小牧基地司令 谷井修平様
航空自衛隊小牧基地隊員・家族の皆様
去る1月8日、この航空自衛隊小牧基地に4機目のKC767空中給油輸送機が配備され、一昨日には、救難ヘリコプター(UH60J)に空中給油できるC130H輸送機1機が配備されたとの新聞報道がありました。「給油ポッド」が両翼下に装備され、同時に2機のヘリコプターに給油でき、また、機体上部には給油口があり、KC767空中給油輸送機から燃料を補給できるという。
4機目のKC767空中給油輸送機もこの給油ポッド付きC130H輸送機も自民党公明党政府による防衛力整備計画での調達品で、政権交替後に航空自衛隊小牧基地に配備されたものです。
去る1月15日、対テロ特措法の期限切れによって、自民党公明党政府によって派兵されインド洋北岸・アラビア海での補給活動をしていた海上自衛隊補給艦と護衛艦の任務が終了しました。2001年10月、アメリカのブッシュ大統領が始めたアフガニスタン攻撃、「対テロ戦争」への支援の補給活動であり、海上自衛隊による参戦で、その責めを負うべきは当時の小泉首相以来の歴代日本政府です。
この1月24日の沖縄県名護市長選挙で辺野古新基地建設に反対する稲嶺進氏が当選し、辺野古の海上にも陸上にも新基地は作らせないとあらためて表明しました。更にこの2月24日、沖縄県議会は全員一致で、「米軍普天間飛行場の早期閉鎖・返還を求め、県内移設に反対し、国外・県外移設を求める意見書」を可決しました。
この2ヶ月、自民党とマスコミが「日米両政府の約束どおり、アメリカ海兵隊普天間基地の代替は辺野古の新基地で」と口をそろえて言ってきました。しかし、民主党連合政府がそれに縛られる理由はありません。政権交替は政策の変更を伴うものです。2006年のアメリカ軍自身の再編計画に沿って普天間基地はアメリカ国内に移設すればよいことで、自民党公明党政府が約束したような米軍の移設費負担や、「思いやり予算」を提供する必要も本来ありません。それが政権交替です。
民主党の首脳らは時として、「沖縄の海兵隊は抑止力である」と言いますが、海兵隊は沖縄への抑圧以外の何ものでもなく、だからこそ先の名護市長選で稲嶺進氏が勝利したのであり、沖縄県議会の「国外・県外移設」の意見書が全員一致で可決されたのです。
アメリカ軍が戦争をしないならば「抑止力」という言い方もありますが、アメリカ政府は戦争政策を現在も執っており、アフガニスタン攻撃、イラク攻撃を一方的に命令したのはブッシュ・アメリカ大統領であり、それを実行したのはアメリカ軍ですが、いまだに攻撃の是非も検証もせず、その非を認めることなく、攻撃と占領を続けています。殴りこみ部隊であるアメリカ海兵隊は抑止力ではなく攻撃力そのものです。日本政府もまだですが、イギリスでもオランダでもイラク攻撃(イラク戦争)を政府の独立委員会が検証し、その検証を終えたオランダではイラク戦争は国際法違反であると公表しました。
普天間基地の代替として、辺野古に軍港付き新基地建設という決定を政権交替後の日本政府がもししたならば、日米の軍事同盟化が更に進み、自衛隊はますますアメリカ軍と一体となって行動させられる可能性が高まります。小牧でもKC767空中給油輸送機、給油ポッド付きC130H輸送機が追加配備されるなど、装備の現代化が進み、自衛隊がより海外展開しやすくなる現在、イラク攻撃について何らの検証もできない日米両政府同士の軍事同盟は、自衛隊・自衛隊員にとっても、日本国民にとっても到底望ましいものではありません。
航空自衛隊小牧基地の隊員の皆さんが、C130H輸送機でハイチへの緊急援助空輸を任務として遂行しているときの気持ちと、イラクにおいて武装したアメリカ軍兵士を空輸しているときの気持ちとは同じものなのでしょうか。
自分と家族とこの日本、世界の人々の日々の暮らしを守るためにも、航空自衛隊小牧基地がイラク派兵を検証してください。
<ノーモア南京>名古屋の会 事務局
社民党愛知県連合副代表 平山良平
住所 西尾市高畠町4-75-3