2009年6月20日
ブルーインパルス飛行は軍需産業からの要望です
航空自衛隊小牧基地司令 谷井修平様
航空自衛隊小牧基地隊員・家族の皆様
6月17日、NHKテレビで三菱などの軍需関連企業がテレビ取材を受け入れ、国の予算削減によって三菱の小牧南工場などは飛行機生産の受注が少なく、飛行機の修理が多くなっている、また戦車のキャタピラーの生産工場も受注が減り、このままでは生産技術の継承もままならず、この苦境を脱するために、軍需産業は武器輸出の解禁を望んでいるという。
武器輸出が解禁となれば、即効的に武器産業、軍需関連産業は仕事が増えるでしょう。さらに戦争が起これば戦争特需に湧き、兵器産業は笑いが止まらないかもしれません。現在のアメリカ合衆国の兵器産業、軍需産業がそうです。
2001年10月7日、当時のブッシュ大統領は9.11事件を理由にアフガニスタン攻撃を開始し、翌々年3月20日にイラク攻撃を開始しました。9.11事件にアフガニスタン人はもちろん当時のアフガニスタン政府も関わってはいません。ブッシュ大統領は「イラクには大量破壊兵器がある」、「フセイン大統領とアルカイダとは関係がある」という理由をつけ、一方的にイラクを攻撃しましたが、後に、そんな証拠はなかったと大統領自身も認めています。しかし、未だにアメリカ軍がアフガニスタンにも、イラクにも駐留し、占領しています。戦争を軍需産業やその関連産業のための「公共事業」あるいは「産業振興事業」としてアメリカ合衆国政府は行なっているようです。
オバマ大統領はアメリカ国家の進路を変えようとしています。アメリカは巨大な軍事力でイラクを占領していますが、イラクの人々は「面従腹背」ではなく、「面背腹背」です。「CHANGE」を呼びかけたオバマ候補、ブッシュの作ったアメリカを変えなければと選挙で訴え、そしてアメリカ国民も彼を選びました。戦争を要求する巨大なアメリカの軍需産業、その縮小と他産業への転換を図ることが彼の一期目の大きな大統領としての仕事でしょう。そうでなければ、アメリカは今後も理由を作り他国に戦争を吹っかけることになるからです。
日本の武器工場・軍需産業の目先の要求で武器輸出を解禁すれば、特需が生れ好景気となるでしょう。売るための更なる新兵器開発と販路の拡大そして兵器産業の巨大化の行くつく先は現在のアメリカの軍需産業です。戦争がなくては立ち行かない産業です。
日本の兵器工場・軍需産業がその存続のため武器輸出の解禁を望むことは、戦争で兵器を消費してくださいということで、その要求は論外です。「生産技術の継承ができない」というなら、その技術を兵器生産ではなく、他の分野に応用することです。軍需産業からの構造転換こそが平和的に生存できる契機です。
アメリカの軍事産業のためにアメリカ軍兵士がアフガニスタンやイラクに派兵され軍務につく。アメリカ軍の空爆でアフガニスタンの人々が死傷しています。アメリカ軍のイラク攻撃によって多くの建物が、橋が、道路が、上下水道が、工場が破壊され、多くの多くの人々が死傷し、劣化ウラン弾の放射線によって様々な種類のがんが子どもたちを襲っています。
アメリカ政府もアメリカ国民も心が病んでいます。オバマ大統領は2010年にイラクからアメリカ軍を撤退させると宣言しました。が、イラク攻撃によって破壊したものの再建を約束しましたか、死者への補償、傷病者への治療、劣化ウラン弾による放射能汚染土の除去を約束しましたか。
一方的に攻撃を仕掛け、破壊しておきながら、その責めを全く負わないアメリカ政府とアメリカ国民は心が病んでいます。
日本政府はどうですか。イラクの復興支援はどうなりましたか。サマーワの陸上自衛隊は何を復興支援しましたか。航空自衛隊は何を空輸して復興支援をしましたか。自衛隊は帰還しました。ではイラクは復興しましたか。イラクでは病院も医療器具も薬も不足しています。イラク攻撃で破壊され損なわれたイラクの人々の生活を元のようにもどすことが復興支援のはずです。航空自衛隊は何を運び、イラクの人々からどのように感謝されていますか。
軍需産業と基地・軍備の拡大はもういりません。敵をつくりだし、恐怖心を呼び起こし、戦争と更なる軍備の拡大というアメリカの二の舞はもう結構です。そのための仕掛けもごめんです。ブルーインパルスの展示飛行はその仕掛けの一つです。
<ノーモア南京>名古屋の会 事務局
社民党愛知県連合副代表 平山良平
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