2012年6月23日
        申 入 書

野田首相は大飯原発について、“国民の生活を守るために大飯原発を再稼働すべきだというのが私の判断だ”と再稼働を決定しました。
 福島原発事故によって現在なお国民生活全体が放射能汚染の危機に晒されているにもかかわらず、野田首相は“国民の生活を守るために大飯原発の再稼働する”という。最大の矛盾です。国会の福島原発事故調査委員会の報告も出ない前の再稼働です。野田首相は今後のために検証するということができないようです。この政府では同じ過ちを繰り返すでしょう。
 イラク派兵については、国会に検証委員会など設置されていません。再び特措法違反、憲法9条1項違反となる海外派兵が行なわれることのないよう、空自小牧基地のみなさんこそ、イラク派兵を検証してください。

航空自衛隊小牧基地司令 荒木淳一様
航空自衛隊小牧基地隊員・家族の皆様

福島第一原発の事故は到底収束したとは言えず、1号機から3号機のメルトダウンした核燃料が圧力容器、格納容器のどこでどうなっているかもわからず、4号機の使用済み核燃料棒1500余本は階上にあって水で冷やされているとはいえ、強い余震があれば崩落のおそれがあり、もし崩落したら、1号機から3号機が今まだ放出した量の放射能をはるかに上回る放射能が撒き散らされるという。識者はこの4号機の使用済核燃料棒の移し変えこそが日本存亡にかかわる一大事であるという。北海道電力泊原発が定期検査に入った5月6日から今日までの1ヶ月半余、日本の50基の原発は1基も稼働していません。それであっても、現在、日本のどの地域も電力不足はありません。
 電力不足があるとすれば、真夏の数日のそれも数時間だけであろうと言われるも、昨夜NHKテレビは電力不足と電力各社(東電と東北電力を除いた)の恒常的な数字(%)をあげた節電要請を報道していました。
福島第一原発の1号機から4号機の事故とその現状を世界は注目しています。大気と海水によって放射能汚染は地球規模に拡散しており、汚染は日本だけに留まるものではありません。野田首相の大飯原発再稼働決定の報道は瞬時に世界をかけめぐり、ドイツの新聞が「日本政府は地震と津波を法律で禁止したようだ」と報道したと聞く。地震国日本で、地殻変動期に入ったこの時期に、自然現象である地震や津波を制止できないにもかかわらず、原発の再稼働を決定したことに、地震と津波を法で禁止するという滑稽な表現をとりつつも、同じ地球に生きる人として再稼働の決定に満腔の怒りを持って報道しています。
“国民の生活のために”と言うが、野田首相にとっては“関電と原発産業そして原子力村の面々のために”ということでしょう。福島第一原発の放射能垂れ流しと4号機の危機を放置し、福島の人々とりわけ子どもの放射能汚染を放置しておいての大飯原発再稼働決定だからです。
東京電力の幹部は事故の責任を誰一人とっておらず、その東電が福島第一原発の事故調査の最終報告書をこの20日に公表しました。「事故原因」として最後に、「津波の想定は結果的に甘さがあったと言わざるを得ず、津波に対抗する備えが不十分だったことが今回の事故の根本的な原因だ。」(朝日新聞)とある。備えを十分にする責任は誰にあるのか。経営陣であろう。各紙の「責任回避に終始」の総評が当たっています。“全くしないよりいいという程度の事故調査・検証”です。
アメリカの最新報道では、月間の戦死者数よりも兵士の自殺者の方が多くなったという。アメリカ兵のアフガニスタンでの作戦・戦闘に正義はなく、兵士が命令でやっていることはアフガニスタンの人々への殺害行為でしかない現実に耐え切れなくなったからでしょう。アフガニスタンの人々も、アメリカ軍兵士も犠牲者となるアメリカ政府の戦争政策です。
2001年9月11日のニューヨーク世界貿易センタービルへの飛行機の激突と上がる黒煙、アメリカ国防総省への飛行機の激突跡はテレビで繰り返し放映されました。飛行機とその燃料がビルの中で燃えてビルの鉄骨が溶解する?、ビル崩壊の粉塵からビル解体用爆薬・テルミットの成分が検出される、国防総省に激突した飛行機の機体も乗員乗客の死体もないデタラメさ。何者かが飛行機をビルに激突させ、何者かが誰もいない工事中のペンタゴンの一角を爆破させた。この何者と「イラクには大量破壊兵器がある」「アルカイダとフセイン大統領とは関係がある」との理由をつけて1年半後の2003年3月20日にイラクを一方的に攻撃した当時のブッシュ大統領・アメリカ政府関係者とは全く無関係なのか。ブッシュ大統領がオバマ大統領に代わっても、世界貿易センタービル・国防総省激突の9.11事件の真相究明はされず、2011年12月のアメリカ軍のイラク完全撤退後から現在に至るも、イラク攻撃の検証はされていません。アメリカの戦争政策は改められていないということです。日本政府もイラク派兵を検証していません。
空自小牧基地の皆さんこそ、自衛隊イラク派兵を検証してください。
           
            <ノーモア南京>名古屋の会 事務局
             社民党愛知県連合 平山良平
             西尾市高畠町4-75-3