2010年7月24日

民主党政府、昨年9月イラクでの空自活動を情報公開しましたが、
この7月イラクでの陸自活動報告は4分の1を不開示にしました。
空自小牧基地はイラクでの空輸活動の検証をしてください

航空自衛隊小牧基地司令 谷井修平様
航空自衛隊小牧基地隊員・家族の皆様

7月14日の新聞報道(赤旗)によると、イギリスの「イラク戦争を検証する独立調査委員会」の公聴会で、イギリス国連代表部中東担当の一等書記官(1997年~2002年)であったカーン・ロス氏は「イラクのフセイン政権の大量破壊兵器に関する評価を意図的かつ大幅に誇張しており、当時イギリス政府は、イラクが大量破壊兵器を持っていたという情報はなかった」と述べ、イラクの大量破壊兵器開発計画についても、「情報操作が行なわれ、おどろおどろしい『情報』に変えられた」と証言したという。
アメリカのブッシュ政権とイギリスのブレア政権は、イラクを攻撃したい意思あるゆえ意図的に大量破壊兵器の情報を作り上げたのでしょう。世界中の“イラクを攻撃するな”という声を無視して2003年3月20日に、両国は共同してイラクを一方的に攻撃しました。当時の小泉首相はいち早くこのイラク攻撃を支持しました。
昨年よりイギリスはこのイラク戦争について上記の検証委員会を設けブレア元首相を始め関係者にその公聴会で証言させています。
オバマ大統領はイラク攻撃についてイギリスのように検証をしておらず、その占領は10年末までといえ、イラク国内にアメリカ軍を駐留させています。アメリカ政府もイギリス政府もおどろおどろしい情報を作り上げて、一方的にイラクを攻撃し、イラクの人々を殺傷し、軍事施設はもちろん、イラク石油省・大統領宮殿を除く官公庁の建物を破壊し、学校、病院、発電所など、多くの社会施設を破壊しました。
このような武力攻撃しておいてイラクとイラク国民に謝罪も損害賠償もしていないのが、アメリカ政府でありイギリス政府です。
日本政府はどうでしょうか。2006年7月に陸自がサマーワから撤退し、空自も2008年12月にイラク・クウェートから撤退しましたが、政府として陸自及び空自のイラク派兵についての検証作業をしていません。なぜ、小泉元首相はイラク攻撃を支持したのか、陸自はなぜサマーワの駐屯地を迫撃砲やロケット砲による攻撃を受けたのか、空自はなぜ武装した多国籍軍(主にアメリカ軍兵士)を空輸したのか、この空輸についてイラク特措法2条2項、同条3項に違反し、かつ憲法9条1項に違反するとの名古屋高裁判決を受けたが、なぜこの判決をきちんと防衛省及び政府首脳が受け止め得なかったのか、検証がされてしかるべきです。
作り上げられた情報によって戦争が作り上げられ、それが現在もなおアメリカ軍によるイラクの占領・駐留につながっていることを埒外に置いておいて、テロの脅威が語られることの異常さこそ認識すべきです。
いま、韓国の哨戒艦「天安号」の沈没について、「北」の潜水艇の魚雷によるもので、証拠魚雷の残骸が海域から発見され、その残骸にハングルで「1号」と書かれていたとの見解を韓・米・日の政府首脳が言い立てています。魚雷の爆発で船体が真っ二つに破断されたというなら、その生存者に様々な損傷があり、遺体ならなおさらのこと損傷があるはずであるが、両者には爆発の衝撃波による損傷はないという。「1号」の文字も、刻印された文字ならばいさ知らず、魚雷の爆発であったならば、書いたものは焼失するだろうし、2ヶ月以上海中にあったならば残ってはいないでしょう。それらのことを韓国の調査に当たった委員がきちんと指摘しています。「天安号」の生存者の陳述書や証言さえも明らかにされておらず、韓国の野党の人々も、魚雷爆発説に疑問をもち、その真相の究明を政府に要求するとともに自らにも課しています。
陸自のサマーワでの活動についての情報公開請求に対して、宿営地への攻撃、防護・警備要領、兵站、治安状況、他国軍との共同演習、サマーワからの撤退計画などの軍事行動に関する部分が不開示にされたという。

情報をきちんと公開すること、これが戦争ではなく平和への道であることは明らかです。
空自小牧基地は、政府の命令とはいえ、自らが法律と憲法に違反することをさせられた(した)ことをきちんと検証してください。
過ちを繰り返さないために、隊員を窮地に追いやらないために。そして、
つくられた情報によって、新たな戦死者を出さないために。

 

<ノーモア南京>名古屋の会 事務局 
              社民党愛知県連合副代表   平山良平  
              住所 西尾市高畠町4-75-3