2010年4月24日

イラクでの空自の空輸活動の検証をし、結果を公表してください

航空自衛隊小牧基地司令 谷井修平様
航空自衛隊小牧基地隊員・家族の皆様

昨日23日、小牧基地は空中で同時にヘリ2機に給油ができるよう改修されたC130輸送機とKC767空中給油輸送機専用の第8格納庫を公開したとの新聞報道がありました。
4月8日、中国海軍の潜水艦2隻を含む10隻の艦艇が太平洋上の訓練の途上、中国艦載ヘリが海自護衛艦「すずなみ」に約90mまで接近し、帰途である21日にも中国艦載ヘリが海自護衛艦「あさゆき」に、90mの距離に2度接近したとの新聞報道がありました。
日中の政府が国の防衛に関して、日本国憲法前文にあるように、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。・・・われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」という友好関係を築くことによって安全と生存を保持するのではなく、防衛力・軍事力で国の安全を保持しようとするならば、小牧基地の航空自衛隊が給油機能を持ったC130輸送機やKC767空中給油輸送機を保有することはその限りにおいて「合理性」をもち、中国が経済成長と共に、軍事力を強化し自国の沿岸だけではなく公海上そして太平洋上において海軍艦艇の軍事演習をすることもその限りにおいて「合理性」をもつことになります。行き着く先は互いの軍拡競争で、際限がありません。
4月17日、「どうする安保!平和的生存権を活かす~ 自衛隊イラク派兵違憲判決2周年企画」との集会がありました。その中で、北海道の元女性自衛官が空自隊員であったときに上官から性的暴行を受けた事件の裁判報告と、横須賀市の女性がアメリカ海軍・空母キティホークの乗組員に殴り殺された事件の裁判報告もありました。アメリカ軍兵士による犯罪が裁判の遡上に上げられることは少なく、この事件では被害女性の夫である原告は、兵士のみならず、アメリカ軍の監督責任と安保条約で基地を提供している日本政府の責任をも裁判で問うています。
アメリカ軍基地が日本国内に存在しなかったら、アメリカ軍兵士による犯罪は激減することでしょう。
沖縄県宜野湾市にある普天間基地の移設について、民主党は選挙公約で、「県外、国外移設」といっており、その公約どおり、昨年の政権交代直後にアメリカ政府に、普天間基地についてアメリカ国内に移設するようきちんと交渉すべきでした。旧政権にいた自民党とマスコミは「約束」した辺野古への新基地建設を盛んに要求し報道しています。
沖縄県民はこぞって公約どおりの「沖縄県外、日本国外」を要求しています。最近移設先として浮上した鹿児島県徳之島の島民も町長もこれまたこぞって受け入れに反対しています。
2003年3月からのアメリカ軍によるイラク攻撃によって、アメリカ軍と海兵隊がアメリカ国土の防衛隊ではなく、大統領の命令のもと、どこの国にも殴り込みをかける軍隊でしかないことが明らかとなりました。
アメリカの軍需産業を維持するために根拠のないことを作り上げ、軍事展開をしているアメリカ政府とアメリカ軍に到底、正義はなく、ブートキャンプなどで人を平気で殺せるよう訓練を受けた海兵隊の新兵たちは、イラクやアフガニスタンの戦場に派兵され、命令に従い、他国民を殺傷しており、そのことによって、ついにはアメリカ軍兵士自身の人間性が傷つき破壊される事態となっています。これこそ基地被害の大きな要因であり、沖縄でのアメリカ兵による犯罪の多さからも、アメリカ軍海兵隊普天間基地の移転先として歓迎する自治体は有りません。
自衛隊の防衛(軍事)力の強化は中国軍の軍事力の強化を生みます。朝鮮民主主義人民共和国の核開発とミサイル実験は日・米・韓の軍事同盟への対抗でしょう。
イラクでの空自の空輸活動について検証せず、空中給油機能のつきC130輸送機やKC767空中給油輸送機の導入は軍拡でしかありません。この方向で突き進めば、自衛隊員と日本国民の安全と生存を守れないでしょう。
日本政府に責任があります。が、当事者として航空自衛隊小牧基地司令、隊員は粛々と命令に従っていればよいというわけにはいきません。やはり検証はきちんとすべきです。 

<ノーモア南京>名古屋の会 事務局 
              社民党愛知県連合副代表   平山良平  
              住所 西尾市高畠町4-75-3