2009年10月24日


空自の「イラク復興支援」とは何をやったのですか

航空自衛隊小牧基地司令 谷井修平様
航空自衛隊小牧基地隊員・家族の皆様

9月24日北沢俊美防衛相は「現時点で不開示とする理由がない」として、航空自衛隊のイラクでの「週間空輸実績」について情報公開請求に応じました。
私が、小牧基地指令に要求していた「イラクでの空自の空輸活動の検証を」について回答がありません。空自派兵部隊がイラクから帰還した翌月(2009年1月)から空自の活動の検証を求めてきました。
1月24日の申入書で「“戦闘行為”と同様な任務が今後、与えられないためにも、イラクから生還した今こそ、検証してください。」と求め、翌2月28日の申入書で「日本国憲前文と第9条によって、外国との戦争が抑止された62年間の歴史、自衛隊員が直接の交戦で死傷することがなかった戦後の歴史に終止符を打った空自のイラクでの活動について厳しく見つめ反省する視点を持たなくてもよいのでしょうか。・・・イラク撤収部隊の帰還を機に、今一度、航空自衛隊のイラクでの活動を検証してください。」と書き、6月27日の申入書では「『自衛隊の宣誓』に照らし、航空自衛隊のイラクでの空輸実績を明らかにし、空輸活動を検証してください。海賊対処法が成立し、海外派兵が拡大する昨今であるからこそ、自衛隊員が戦死しないために、海外派兵された当事者として検証してください。」と三度要望し、先月9月26日の申入書に「空自のイラク復興支援とは何をやったのか明らかにされておりません。谷井基地指令はこの名古屋高裁判決時に空幕主席法務官であり、この名古屋高裁判決に対して、イラクへの空自の拠点でもあった小牧基地指令として、もう二度と空自隊員を法律にも憲法にも違反する活動をさせないためにも空自のイラクでの活動について審らかに検証し、その結果とともに法的見解を添えて公表してください。・・・谷井小牧基地指令は『イラクでの復興支援をトラブルなく完了した』などと言われる。教えてください。武装した多国籍軍兵士の空輸の他に、イラクの復興支援に航空自衛隊は何をしたのですか。」とイラク復興支援の中身を尋ねました。
先月の申入書提出の数日後、情報公開請求者に週間空輸実績が開示され届いたのです。
その空輸実績によると、空輸した多国籍軍兵士約18700名、うちアメリカ軍兵士が17000人。兵士の輸送が全体の7割を超え、銃を5400丁運んだという。
谷井基地指令が「多国籍軍士の空輸をトラブル無く完了した」と言ったなら、それは事実を公表したという点で納得します。でも、谷井基地指令は、5月13日の中日新聞において「イラク復興支援をトラブル無く完了した」と述べています。
イラクの復興支援に航空自衛隊は何をしたのですか。イラクの人々が聞いて喜ぶ、どんな復興支援をしたのか、それを知りたい。

オバマ政権のゲーツ国防長官(ブッシュ政権でも国防長官)がこの  20日に来日し、沖縄の普天間基地の返還の代わりに辺野古に新基地を予定通りに作れと鳩山首相、岡田外務大臣に要求したという。
そもそも普天間基地の由来は、64年前、沖縄を占領したアメリカ軍が住民を収容所に押し込めている間に、普天間の町と松並木のあった街道とに金網を張り巡らし基地を建設したもので、これは住民からの土地強奪です。これを住民に土地使用料を払って返還するならまだしも、新しく辺野古に新基地を作れという。強盗が、家を返してやるかわりに新たな家を要求するようなもので、沖縄県民・普天間住民でなくとも、納得できるものではありません。
理由を作ってイラクを一方的に攻撃して、都市部から撤退したとはいえいまだに駐留している国・アメリカ合衆国国防長官ならではの要求です。
元空自主席法務官として谷井基地指令は、このアメリカ軍の住民追い出し、普天間基地建設と継続使用について、国際法から見て違法という認識はないでしょうか。

空自のイラクでの復興支援の検証と普天間基地の住民への返還は、どちらもアメリカ政府・軍が深くかかわっていますが解決すべき平和の問題です。

 

<ノーモア南京>名古屋の会 事務局 
              社民党愛知県連合副代表   平山良平  
              住所 西尾市高畠町4-75-3